「今のままのVPNではみんなが苦労する」。それを打開するための、マネージドVPN。
ソニーのインターネットソリューション事業、bit-driveの企画管理部に席を置く原山は考えていた。インターネットという自由度の高いネットワーク上において、今ある技術でVPNを構築するのは必要以上に手間がかかる。例えば、「ある拠点とある拠点を繋げて通信したい」という要望があれば、両拠点の機器にお互いの拠点情報を設定しなければならないのはVPNを構築する上ではあたりまえのこと。
バーチャルなトンネルを作ることは、結局リアルな専用線でお互いの拠点を繋げることと手間はほとんど変わらない。ただ、バーチャルの設定で構築しているということだけ…。

そんな折、原山の目についたのは、同僚SE平山の多忙さだった。
当時の平山の主な業務は従来型のVPN構築のために、クライアントのもとへ出向き、繋ぐ拠点の情報を聞き出し、ネットワーク構成を提案していくこと。クライアントの要望をヒアリングした上で、その都度システムをカスタマイズし実際の構築・導入にあたっていた。拠点数が少ないクライアント環境であればこのやり方で十分対応が可能だが、大規模なものになるとその手間は計り知れない。
平山はヒアリング内容に基づいて複雑な回線やルータ機器の設計を行い、時には夜を徹して多様なクライアントの要望に対応していた。
そんな様子を見ていた原山はふと思う。
「なんでみんな、こんなに苦労しないといけないのだろう・・・」
もっとお客さまも自分たちも、簡単に構築・導入・運用ができるVPNサービスがあってもいいのではないか?
この時、原山の頭の中に浮かんだひとつの構想。それが、これまでにない新しいVPNサービス「マネージド型のダイナミック・インターネットVPN」であった。
時は2004年1月。

さっそく原山は、この構想を部内で発表。より具体的な完成イメージをつくるための意見交換が行われた。
しかしこの時、マネージド型のダイナミック・インターネットVPNという構想は大きな問題に直面する。原山が思い描くサービスを実現するためには、大規模な設備投資が必要だったのである。






