ルータとマネージメントツール、社内ではサービス導入へのテストが続く。
時を同じくして企画側の原山は要求と要件のすり合わせに奔走していた。「こうしたい」「こんなのできません」「じゃあ、どうしようか」といった具合に企画と開発の間で調整が続いた。
開発の目処がたった9月からは、企画側でもテスト漬けの日々が続いた。開発側で行うテストと企画側で行うテストで次々と問題点をつぶしていく。
そして・・・
ついにマネージドVPN ダイナミックリンクが完成する。2005年12月。外はもう冬になっていた。
原山たちは、達成感と安堵を覚えるとともに、すでに頭はもう一つのミッションに向かっていた。
「このサービスを、実際に導入してもらうことが、本当の完成なんだ」

軌道に乗らないサービス。利便性が伝わらないことへのジレンマ。
サービス開始直後、詳しい話を聞きたいという引き合いは多かったが、導入企業数は伸び悩んでいた。
SEの平山は、社内も代理店もサービスの意図を理解していなかったと振り返る。いくら画期的なVPNだからといって、どのようなメリットのあるサービスなのか売る側の人間が理解していないと、導入してはもらえないことを痛感した。
スケジュール優先で走り始めたサービス。リリース後にダイナミックリンクの訴求ポイントなどを教育していく、後追いの形を取らざるをえなかった。実際にダイナミックリンクには、サービス開始時には実装をされなかった機能もいくつか存在する。プロジェクトは、リリースするやいなや次の開発に着手していた。
徐々に理解され始めたダイナミックリンク。そして、これからも挑戦は続いていく・・・

平山は評価導入をしていただいたお客さまとの商談にあたっていた。
商談のなかでわかってきたのは、このサービスのメリットが徐々に浸透していること。例えば、ダイナミックリンクのことを理解いただいているお客さまは、拠点を追加するとき、常にマネージメントツールを開いたままにしている。これは他の拠点へのルータ設置時に、マネージメントツール上で拠点の管理ステータスの色が変わることを確認できるからだ。通常のサービスでは離れた拠点の様子がどうなっているか分からない。その見えなかった部分が、センターの本社でツールを見ていれば全て進捗管理ができるのだ。竹内の開発したマネージメントツールが、お客さまに利便性が高いと評価をもらっている証拠だった。
また、ダイナミックリンクはフルメッシュという形をとっている。原山たちが構想した「プラグ&コネクト」は、社内では機器に回線を繋いで電源を入れるだけなので「ポン付け」(ポンと付ける)と呼ばれている。それほど、簡単に導入できるからだ。
使いやすさを追求したマネージメントツール。そして矢野がこだわったルータ設計による導入のしやすさ。
どちらが欠けてもこのサービスは実現しなかった。
そして現在…。
ダイナミックリンクは、運営体制を含めてお客さまから高い評価を受けるまでになっている。
しかし、開発に携わった5人は、この現状に満足していない。より高いレベルでのお客さまの満足のために…














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