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導入事例

医療法人財団はるたか会 子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田さま

「ソネットと二人三脚で作り込んできたシステム。これからの地域連携を支える重要なインフラになると信じています」

子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田

重い病気を抱えながら、自宅での生活を望む子ども達とその家族がいる。そうした子どもたちと家族を支える目的で開設されたのが、小児を対象とした在宅療養支援診療所「あおぞら診療所墨田」だ。同診療所では、ソネットと協力して在宅ケアにおけるITを活用した多職種連携支援のあり方を模索する実証実験を実施。その成果から誕生したクラウド型在宅ケア支援システム「bmic-ZR」を活用することで、地域医療の効率化を実現している。

小児の在宅医療を支える地域連携

近年、小児を対象とした医療の分野で、在宅医療が果たす役割が大きくなっている。その背景としては、医療の進歩によって救命される小児が増加する一方、重症児をケアできるNICU(新生児集中治療室)等の慢性的な病床不足により、重い病気を抱え、人工呼吸器などが必要な子どもであっても、多くが自宅での療養をせざるを得ないという現実がある。また、重い病気を抱えながらも自宅で家族と一緒に生活をしたいと願う子供たちと家族の希望をかなえるための地域医療・介護・福祉の資源が不足していることも小児在宅医療の大きな課題である。

前田浩利氏
(現・医療法人財団はるたか会 理事長)

2011年、日本で初めて小児を対象とした在宅療養支援診療所「あおぞら診療所墨田」を開設した前田浩利氏(現・医療法人財団はるたか会 理事長)は、次のように語る。
「当時と比べると医療技術は格段に進歩しており、救命できる患者さんも増えていますが、反面、入院できる施設の数は圧倒的に不足しています。しかも子どもの場合、高齢者の方と違って日々成長するので、医療だけでなく学校(教育)など、成長に伴う生活環境の変化も考えなければなりません。もともと私は小児がんの専門医で、患者さんとその家族がいつもご苦労されているのを見てきました。そこで、こうした人たちを支えたいという強い思いから、『あおぞら診療所』を開設したのです。この診療所では、医療と生活をリンクさせ、これまで病院内に留まっていた医療を、広く地域へ開放していくことを目指しています」

在宅医療・地域連携を発展させていく上で、前田理事長が大きく期待していたのがITである。ソネットによる宮城県・気仙沼での多職種連携支援の取り組みについて前田理事長が耳にしたことがきっかけとなり、同年、小児在宅ケアにおける多職種連携支援のあり方を模索する実証実験を共同でスタートさせることになった。

それぞれの分野が持つ「文化」を乗り越える

ソネットとあおぞら診療所さまの打ち合わせの様子

実証実験を進める際、最も大きなハードルとなったのが、分野による「文化」の違いだったと前田理事長は振り返る。ひとことで地域連携といっても、医療や福祉、教育など、さまざまな分野が関わっており、それぞれに文化が存在している。その文化を乗り越えつつ、ひとつのチームとして機能させられるかが問題で、単に共通のIT環境を揃えればよいというわけではないのだ。「たとえば医療とITでは、文化が全く異なります。ですから最初はソネットの方も、外国語を聞いているようで、ちんぷんかんぷんだったのではないでしょうか(笑)。そこで、彼らには医療の文化を一から学んでもらい、現場でどんなことが行われているかをつぶさに見てもらいました。こうした地道な努力により、さまざまな課題について同じ目線、二人三脚で取り組むことができるようになったのです」

ソネットの担当者は、朝のカンファレンスへの参加、往診同行などを行いながら、徹底的なヒアリングと業務の分析を実施。二年にわたり、現場のスタッフとキャッチボールを続けた。こうした取り組みの成果が、形となって誕生したのがクラウド型在宅ケア業務支援システム「bmic-ZR」である。

作業漏れやミスを減らし、カバーできる情報も拡大

「bmic-ZR」は、多職種連携を強く意識して設計されており、各職種間でのコミュニケーションを充実させるための機能が数多く盛り込まれている。同診療所では、導入によりすでに大きな成果が生まれているようだ。

左:池田有美氏(ソーシャルワーカー)
右:高森美奈子氏(事務職)

一例を挙げると、それまでは訪問診療のあと、診療所に戻ってから患者のデータ(体温、血圧、脈拍などのバイタルデータなど)や処置の記録をもとに翌朝の申し送り用シートの記入を行っていた。処置の内容にもよるが、記入にかなりの時間を要することもあったという。
「夜遅く診療所に戻ったときなど、終電に間に合わないと焦ってしまって記入が漏れてしまうこともありましたが、今では現場でタブレットを使って入力できるようになったため、時間的にも余裕ができました。また、その場で先生に直接、内容を確認してもらうこともできるので、ミスが減ったことも大きな効果ですね。さらに、必要であればタブレットで患者さんの様子を写真に撮ることもできるので、今後の情報共有という意味でも期待できそうです」と事務職の髙森美奈子さんは効果を語る。

また、診療所でスタッフが申し送りを行う朝のカンファレンスでも、データがデジタル化されたことで、その内容がわかりやすくなったという。同診療所でソーシャルワーカーを務める池田有美さんは、患者や医療機関に対しての窓口役であり、さらに地域とのパイプ役として、医療・保健・福祉の観点から患者のケアを担当しているが、「bmic-ZR」のメリットについて以下のように説明する。
「これまでは、先生方が必要と判断した患者さんのみを対象に、申し送りシートへデータを記入していました。しかし、『bmic-ZR』の導入後は、往診した患者さんだけでなく、診療所へご家族などから連絡が来た患者さんについても情報が申し送りに反映されるため、情報を広くカバーできます。現在は診療所内だけの利用ですが、今後訪問看護ステーションなどにも拡大すれば、FAXなど紙中心の情報のやり取りをデジタル化できるため情報の伝達も容易に、正確になると思います。小児の患者さんの場合、病院、診療所以外にも、看護や介護、リハビリ、保育所・保育園、学校、行政など関連する機関が多いので、それぞれが持つ情報を全体で共有できるようになれば、さまざまな分野で活用でき、より質の高い在宅ケアの実施につながると思います」

新たな地域医療のモデル確立を目指して

地域医療のモデル確立には、診療所内の情報共有、外部の医療および介護従事者も含めた情報共有、そして学校などの教育機関や患者の家族まで含めた情報共有という3段階のステップが必要だ。

「『bmic-ZR』のサービスが始まったことで、まずは連携モデルの土台ができました。これからは、運用していく中で使い勝手の改善を行うとともに、外部との連携を本格的に進めて行きたいと考えています」と前田理事長は語る。さらに続けて、「『bmic-ZR』は、地域医療における基本的なインフラとなるだけの高いポテンシャルを持っていると思います。ですから、このサービスをもとに地域の医療・介護資源がシームレスにつながり、福祉や教育とも連携して子ども達とその家族を支える、新しい地域医療のモデルをつくっていきたいですね」と将来についての展望を述べた。

導入サービス

在宅ケア業務支援システム「bmic-ZR(ビーミック ゼットアール)」

担当者コメント

法人サービス事業部門 bit-drive事業推進部 医療クラウド課 課長/医療情報技師 猪狩雅博

「bmic-ZR」は、あおぞら診療所墨田の皆様から現場での利用を想定した様々な意見やアドバイスをいただきながら開発を進めてきました。コンセプトは「空気のようなIT」。現場の業務を妨げることなく、在宅ケアに必要な情報を簡単に記録し、速やかに情報共有ができることを最大のテーマに、タブレットやスマートフォンを活用した簡単入力や、朝の申し送りを効率的に行うための機能などを追加し、使い勝手の改善、機能向上に取り組んできました。今後も現場の意見を大切に、システムの品質、機能の向上に努めていきたいと考えています。
(法人サービス事業部門 bit-drive事業推進部 医療クラウド課 猪狩雅博)

法人サービス事業部門 bit-drive事業推進部 医療クラウド課 マネジャー(R&D担当) 狩野真之

あおぞら診療所の訪問診療に同行し、厚生労働省の在宅医療連携拠点事業を始めとした事業にも参加させていただき、これからの地域医療・介護連携の在り方について研究を続けてきました。これらの経験から特に感じたのは、現場で運用してもらうためにはシンプルかつ柔軟なシステムである必要がある、という点です。情報を扱う医療・介護従事者の職種も多岐にわたるため、フォームにも柔軟性が必要ですし、かつ現場作業の負荷とならないよう、容易に入力できなければなりません。見た目はシンプルですが、裏では細かく複雑な処理がされているシステム、このあたりの仕組みづくりには苦労しました。
(法人サービス事業部門 bit-drive事業推進部 医療クラウド課 狩野真之)

お客さまプロフィール

医療法人財団はるたか会 子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田
所在地 東京都墨田区東駒形1-3-15 マーナビル2F
開設 2011年4月
URL http://harutaka-aozora.jp/?page_id=1081別ウィンドウで開きます
概要 病気だけでなく、患者の人生や生活にまで責任をもって付き合うという思想の実践を目的に、1999年4月、千葉県松戸市に「あおぞら診療所」を開設。2011年4月には、日本初となる小児在宅医療を中心とした在宅療養支援診療所「あおぞら診療所墨田」を東京都墨田区に開設した。現在、「在宅医療の普及、推進」「教育」「日本における地域医療機関、診療能力のモデル提示」の3点に重点をおいて活動を行っている。社会的問題のあるケース、貧困例、がんのターミナルケアでは豊富な実績があり、小児在宅医療については国内でも最大規模の患者数を診療している。

※文中記載の組織名、所属、役職、サービス名などはすべて2015年2月取材時点のものです。

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