クラウド 元SEママの情シスなりきりAWS奮闘記

【Windows】 AWS上のWindows環境構築&運用がラクになる!「Amazon FSx for Windows File Server」の基本を学ぶ

2019年4月1日掲載

こんにちは。シイノキです。娘(年少)が去年からピアノを習いはじめまして、今度初めて発表会に出ることになりました。本人はどこまで自覚しているのか、焦っているのもドキドキしているのも親だけのような……。娘はなにをやってもかわいいので(親バカ)、失敗しても頑張ってこいと背中を押すだけです。

さて、今回のコラムではAWS上のWindows環境構築がグググっと便利になりそうな新サービス「Amazon FSx for Windows File Server」(以下、FSx)を取り上げたいと思います。これは、先日のre:Invent 2018で新しくリリースされたサービスで、前回のコラムでも紹介したとおり「複数のWindowsサーバにマウントできるストレージ」です。「File Server」って名前に入ってるし、要するにファイルサーバってこと?と思いがちですが、「社内のファイル置き場」的なファイルサーバとは若干意味合いが異なる様子。

とはいえ、Windows Server 2008の延長サポート終了をめぐっていろいろと騒がしい昨今、注目のサービスであることに間違いありません。実は先日開催されたAWS主催のFSxセミナーにこっそりと参加してきましたので、その内容をまとめるとともに、より具体的なユースケースについて本コラムではお馴染みのソニーネットワークコミュニケーションズのエンジニア・平山さんにインタビュー。具体的にどんなサービスで、なにに使えて、なにが便利なのかを探っていきたいと思います。

FSxは「完全マネージド型」のWindowsファイルシステム

前回のコラムでは、FSxを「複数Windowsサーバにマウントできるストレージ」として紹介しましたが、これまでのAWS上に構築したWindows環境との最大の違いにして、もっとも大きな特徴はその運用。「完全マネージド型」で提供される、という点にあるようです。

「完全マネージド型」というとその代表は「Amazon RDS」です。RDSでデータベース部分の運用までAWSに任せられるように、FSxではサーバOSの運用までAWSが担当します。WindowsサーバをオンプレミスからAWSに移行しても、ハードウェアの運用管理こそ不要になるものの、Windows OSのアップデートやバックアップなどの運用管理はユーザで対応する必要がありました。この部分まで「完全マネージド型」で提供することで、より運用負荷を減らしてWindows環境を利用できる、というワケですね。

しかもそのうえで、Windows環境で多く使われているファイル転送プロトコルSMB 2.0 / 3.1.1に対応し、Windowsアプリケーションとの100%互換を謳っています。もちろんアプリケーションを移行したら検証は必要ですが、100%の互換性が担保されているのは心強いですよね。

さらに「完全マネージド型」なのでバックアップもお任せできます。デフォルトでは1日1回、自動でバックアップされており、任意のタイミングでのバックアップも追加で設定することが可能です。セキュリティもしっかり配慮されており、PCI DSSやISOにも準拠。保存時だけでなく移動中のデータまで暗号化し、IAMやActive Directoryと連携したアクセス制限などひと通り対応している印象でした。

パフォーマンスも従量課金!?必要な性能を設定できる

もうひとつFSxの特長として挙げられていたのが「さらに高速で柔軟なパフォーマンス」。要するにこれまでのストレージサービスよりも、より高速かつより柔軟なパフォーマンスを実現している、ということのようです。この性能UPに大きく貢献しているのが、バックエンドにSSDのディスクを採用したこと。そして、これまでのストレージサービスでは、利用する容量が増えるにしたがってパフォーマンスも向上する仕組みでしたが、FSxでは容量に関係なくパフォーマンスを選べるようになりました。もちろん選んだパフォーマンス(スループット)によって料金が変わりますが、用途やニーズにあわせて柔軟に設定できるのはメリットと言えそうです。

先日のFSxセミナーでは、FSxの環境を作成するデモもあったのですが、本当に簡単そうでした。容量やキャパシティ、ネットワーク設定、あとはActive Directoryと暗号鍵を設定して完了です。5~10分ほどで構成できる、とのことで、実際にセミナー中に完成した環境に接続するところまで見ることができました。

使い方も簡単で、接続元のPCやサーバに完成したFSxをマウントすればOK。こちらも結構さっくりと接続できていました。ちなみに、接続できるのはサーバOSではWindows Server 2008以上、クライアントOSではWindows 7以上とのこと。一般的に利用しているサーバやPCであれば、問題なさそうです。

FSxは便利そうだけど……実際なにに使えるの?

ここまでFSxのサービス内容を紹介してきましたが、実際のところ、Windowsのストレージ環境って、どう使うのが便利なのでしょうか?いつも本コラムでお世話になっている、ソニーネットワークコミュニケーションズのエンジニア平山さんに伺いました。

「FSxはファイルサーバの代わりに利用するのが一般的かと思いますが、高スループット・低レイテンシーを活かし、Windows系EC2インスタンスの共有ディスクとして、Webサーバのコンテンツ格納先やアプリケーションからのファイル共有マウント先などさまざまな用途に使えると考えています。ただFSxは3月14日に東京リージョンに対応したばかりです。これから私もPoC検証を進めて、さまざまな利用方法を提案できるよう用意したいと思っています」

もうひとつ、実は気になっていたのが、「FSxはActive Directory(以下AD)が必須」というハナシ。デモのときにサラリと「ADを設定してね」と流れていったのですが、ちょっと待って!中小ではAD使ってない企業も多いのでは……、ADを構築するところからはじめたら大変では……と思っていたのですが、こちらはどうなのでしょうか?

「やはりADを構築するとなるとさまざまな検討が必要となりますが、AD環境を用意するという観点では、AWSが提供するマネージドなAD環境(AWS Directory Service for Microsoft Active Directory)も利用できるので大きな問題にはならないと思います(平山)」
ということなので、こちらもFSxとセットで検討すればなんとかなりそうです。

Windows Server環境を「完全マネージド型」で提供するFSx。2020年1月に延長サポートが終了するWindows Server 2008の移行先としても有力候補と言えそうです。東京リージョンにも対応したとのことですし、一度検討してみる価値は大きいのではないでしょうか。

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