株式会社共同テレビジョンさま

テレビ放送の4Kや8Kといった超高画質の放送が始まっていく中で、制作プロダクションが取り扱うデータ量は増大し、ネットワークの重要度は高まっている。そうした背景のもと、ネットワークの高速化とIaaS導入による業務効率化に取り組んだのが株式会社共同テレビジョン(以下、共同テレビジョン)だ。ネットワークに高速な「NUROアクセス」を導入し、会議室予約システムのプラットフォームにはbit-driveのIaaSを採用。業務の効率化、コストパフォーマンスの向上、運用負荷軽減を実現した。

▲4K中継車として日本初の中継車。最新技術を導入しながらも、人間が中心の使いやすさにこだわった。

中継車内部は大スタジオ並の広い制作室でスポーツから音楽LIVEまで幅広く対応。
IaaSの導入、ネットワークの刷新により、業務を大幅に効率化
導入前
- 会議室予約が紙による手書きで行なわれており、非効率な運用だった。
- インターネット回線の帯域が逼迫、ファイルのやり取りに長い時間がかかっていた。
導入後

今後の展望
会議室予約システム以外のシステムについてもbit-driveのIaaSへの移行を検討。また、大容量映像データ送受信時代に備え、現在1回線の「NUROアクセス」回線を、冗長化、負荷分散の観点から複数回線での利用を視野に入れている。
ITを活用して、制作現場の後方支援と業務効率化を推進
アナログな会議室予約システムをクラウド化

業務センター
システム管理室 室長
富澤 茂明氏
日本有数の制作プロダクションとして、多くのテレビ番組や映画、CMなどを制作する共同テレビジョン。日々、世の中に夢と感動を与える、様々な番組を世に送り出している。
同社システム管理室の富澤茂明氏は、「もともと当社にはIT関連の専任部門がありませんでした。そこで、ITを使った制作現場の後方支援、業務効率化を図っていくために、システム管理室を立ち上げました」と話す。
富澤氏がITを活用した業務効率化で取り組んだ事例の一つが、会議室予約システムのクラウド化だ。当時の同社では、専用の用紙を使い、手書きで会議室を予約するというワークフローになっていた。紙が置かれているところまで見に行かないと部屋が空いているかわからないということで、会議室予約を電子化して欲しいという制作現場からの声は多かった。
極力コストを掛けずに会議室予約システムを構築するために、プラットフォームには月額費用で利用できるクラウド(IaaS)を選択。いくつかのサービスを比較・検討した結果、bit-driveのIaaSサービスを採用した。
IaaS上に会議室予約システムを構築し、業務を効率化
富澤氏は、bit-driveのIaaSを選んだ理由としてまず「顔の見えるサポート」を挙げる。「担当者がこまめに足を運び、技術的なことも含めて真摯に相談に乗ってくれますし、サポートセンターもしっかりとしています。顔の見える手厚いサポートが採用の第一の理由です。もちろん、IaaSとしての機能も十分で、コスト的にも優位性がありました」と富澤氏。
IaaS上に構築する会議室予約システムは、既存のグループウェアをカスタマイズし、さらにサイネージとの同期を取るといった仕組みが取り入れられている。加えて、万一のトラブルやメンテナンスの際にもシステムが止まらないように、仮想サーバを冗長化し、可用性を高めた構成だ。会議室予約システムの構築は、bit-driveから紹介されたシステムインテグレータであるイー・アンド・エム※がパートナーとして担当した。
「とても使いやすい会議室予約システムができました。外出先でスマートフォンからも会議室を予約できるようになり、制作現場からも好評です。大幅な業務効率の改善が実現できました」と富澤氏は効果を語る。
運用にはbit-driveの統合管理ツール「マネージメントツール」を活用し、トラフィックの確認だけでなく、ログの管理なども行なっている。富澤氏は「運用面での苦労はまったくありません。当社のようにシステム部門の人員の少ない企業にとって、効果は非常に大きいです」と話す。
制作現場のインターネット回線を大幅に増強
同社では、制作現場からの要望に応え、ネットワークの増強にも取り組んでいる。
番組制作においては、多くの映像や音声などのデータがインターネット回線を通じて社内外でやり取りされている。同社では従来、10Mbpsのインターネット回線を利用していたが、圧倒的に帯域が不足し、制作現場から改善の要望が上がっていた。
導入されたのが、bit-driveの提供する光ファイバーサービス「NUROアクセス」だ。富澤氏は「下り最大2Gbpsの超高速回線ということで、見積りをいただき、優れたコストパフォーマンスを評価して、すぐに採用を決めました」と採用の理由を話す。
「NUROアクセス」導入では、bit-driveのマネージドイントラネットに設置するProxyのリソースを2倍に増強してアクセスの集中に備えるとともに、社内に設置するマネージドルータも当初の「DG-X1000」から、さらに高速な「Cisco2951」へ増強。単なる回線の導入だけでなく、こうしたネットワーク周りの工夫をあわせて提供できることもbit-driveのよさであると富澤氏は語る。
会議室予約システムのクラウド化とネットワークの高速化により、制作現場の業務効率化を成功させた同社では、今後もITを積極的に活用して、効率化をさらに推進していく。
「業務効率化のためにやるべきことはまだたくさんあります。今回の成功を受けて、これからは他のシステムもIaaSに乗せていこうという話もでています。例えば、ファイル共有ストレージサービスなどですね。また、業務の効率化とともに、無線LANの導入や、そのセキュリティ対応としてのクラウド型認証サーバの導入なども考えています」と語った。
導入商品、利用するアプリケーション
導入商品 | マネージドイントラネット |
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利用する オプションサービス |
企業プロフィール
株式会社共同テレビジョン | |
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所在地 | 東京都中央区築地5-6-10 浜離宮パークサイドプレイス11F・12F |
設立 | 1958年7月28日 |
URL | http://www.kyodo-tv.co.jp/![]() |
概要 | ドラマやバラエティなどのテレビ番組、映画、Webの企画制作、企業向けのビデオやCM、イベント実施まで幅広い分野で活動している総合制作会社。「クリエイティブ・マインド」を掲げ、常にイニシアチブを持って激しく変化するメディア環境に柔軟に対応しながら、世の中に夢と感動を与えられるソフトを作っていく。 |
※イー・アンド・エム紹介
1979年設立。企業向けITソリューションを中心としたソフトウェアの企画開発、システムコーディネート、IT関連サポートを展開するソフトウェア開発会社。今までに蓄積した豊富な業界ノウハウを背景にしたITC構築により、ビジネスの効率化とコスト削減を実現する。
(文中記載の組織名、所属、役職、サービス名などはすべて2015年2月取材時点のものです。)