株式会社東京ダイヤモンド工具製作所さま
「システムは年々拡大しているのに、構築や運用管理を担当する人手が足りない!」。
中堅・中小企業のIT部門では、そんな悩みが急速に拡がっている。東京ダイヤモンド工具製作所では、bit-driveのサービスを採用。サーバやネットワークをアウトソース化することで、一人でも簡単に導入・運用できるシンプルな情報基盤を実現した。
Corporate Data
創業から約80年の歴史を誇るダイヤモンド工具のパイオニア企業。切断・切削・研磨・穿孔といったモノつくりの工程に欠かせない高品質なダイヤモンド工具を提供。顧客企業の業種も、電子、半導体、自動車、航空機など、幅広い領域にわたっている。また、近年では、長年にわたり培った研究・技術開発力を活かして、ビジネスのグローバル展開も推進。2010年にはタイに海外工場を設立し、現地の日系企業を支援している。
導入前のビジネス課題
専任の情報システム担当者が一人しかおらず、ITインフラの構築・運用を自前でまかなっていくことが困難になっていた。ネットワークやサーバ群の管理には高度な専門知識が必要であり、保守や障害対応などの業務負担が担当者に集中していた。また、BCPの重要性が高まる中、自社ビル内にサーバ群を設置しておくことのリスクも強く感じていた。
アウトソーシングによる解決
メールサーバやWebサーバ、Proxyサーバなど、日々の業務を支える重要なサーバ群をクラウド化。本社、営業所、工場などの拠点間をつなぐネットワークもまとめてアウトソーシングし、運用管理負担の軽減とコスト削減を図った。同時に、Webメールやモバイルアクセス環境も整備し、社外からでも自在に情報活用が行える環境を整備した。
導入効果と展望
夜間・休日の障害対応などに追われることがなくなり、運用管理負担は大幅に軽減。Proxyサーバをクラウド側へ移したことでネットワーク負荷が下がり、システムの安定性も大きく向上した。この点はBCPの強化にも結びついており、3.11の震災の際にも問題なく業務を継続することができた。コスト削減効果も大きく、月額のネットワーク費用は、ITインフラ再構築に取り組む前と比較して、約1/4に低減している。

「bit-drive マネージドイントラネット」の専用マネージメントツールは、各種の設定や確認作業が一つの画面で行えるため、ITのエキスパートでなくとも簡単に運用が行える。東京ダイヤモンド工具製作所でも、「Linuxのコマンドでシステムを操作するのは素人には無理。でも、このツールのおかげで、他の人にも監視や運用を頼めるようになりました」(小久保氏)と好評を博している。

導入ストーリー
一人での運用管理は限界。クラウド化に向けて舵を切る

東京・目黒に本社を置く東京ダイヤモンド工具製作所は、様々な工業素材の加工に欠かせない、ダイヤモンド工具のリーディング・カンパニーだ。同社の小久保拓志氏は「当社の製品はほとんどが個別受注生産品。多様なニーズに適確にお応えすると同時に、納期厳守にも全力を注いでいます」と語る。
その同社が、ITインフラの再構築に着手したのは2008年のこと。小久保氏は「当時は複数のサーバ機能が一体化されたアプライアンスを使っていましたが、老朽化でトラブルが頻発。また、仙台工場と本社を結ぶ専用線の費用が高額な点もネックでした」と振り返る。同社では、故障の多いアプライアンスを自社構築したサーバに置き換え、回線も別のサービスに切り替えることで、とりあえずこの問題をしのいだ。しかし、決してこの状態に満足していたわけではない。
「当社の情シス担当は私一人。年々重くなる運用管理への対応にも限界があります。現場部門への安定的なサービスを維持し続けるためには、いつかクラウド化が必要と考えていました」(小久保氏)。
bit-driveの担当窓口は一人。これこそ"真のワンストップ"
こうした状況を打破するサービスとして、同社が注目したのがbit-driveだ。小久保氏はその理由として「真のワンストップサービスが実現できる」点を挙げる。「カタログ等ではどの事業者もワンストップを謳っていますが、実際にできているところはほとんどない。いざ打ち合わせとなると、子会社や複数の事業部門から大勢の人がやって来ます。7~8人の担当者に囲まれて話をしながら、『これのどこがワンストップだ』と思うこともありました」と小久保氏は苦笑する。その点、bit-driveは全てのサービスを自社内で提供している上に、担当窓口も一本化できる。小久保氏は「社内のITインフラを一人で廻していく上では、こうした点は本当に重要」と続ける。
大幅に向上した安定性。東日本大震災の影響も回避
同社では2010年10月より、bit-driveの導入を開始。現場への影響を最小限に抑えるために、段階的に適用領域を拡大していった。ここではbit-driveの支援も大いに役立ったとのことだ。
「システムをクラウド化したことで、運用管理負担は大幅に軽減しました」と小久保氏。管理対象の資産が社内からなくなった上に、状況の確認や設定なども専用の管理ツールで簡単に行える。また、システムの安定性も大幅に向上し、以前のように本社ビルの法定停電などの影響を受けることもなくなった。「実は、全サービスの稼働直後に東日本大震災があったのですが、bit-driveへ移行済みだったおかげで業務への影響はありませんでした」と小久保氏は力強く語る。コスト削減効果も大きく、月額の回線費用は2008年以前と比較して約1/4になったという。
また、同社では、bit-driveのオプションサービスである「Webメールサービス」や「リモートアクセス"CRYP"」も導入。外出先からでも、メールの確認や受注入力業務などが行える環境を実現している。小久保氏は「お客さまの工場は交通の便の悪い場所にあるケースも少なくないので、こうしたサービスは非常に便利ですね」と語る。
「今後は他の業務システムについても、積極的にクラウド化を進めていきたい」と小久保氏。bit-driveが活用される場面も増えていきそうだ。
COLUMN
Proxyサーバ機能を活用し、万一の際も全停止しないネットワーク環境を実現
今回のプロジェクトでもう一つの課題となっていたのが、インターネットアクセス環境の改善だ。小久保氏はこの点について「以前はインターネットへの出口が全て本社からだったので、もし本社にトラブルがあると全拠点の機能が停止するという問題がありました」と説明する。同社では顧客との連絡手段としてはもちろん、オンライン電子商取引システムなどのサービスも広く活用している。従来の環境では、万一の際にこうしたものが全て利用できなくなるおそれがあった。しかし、bit-driveでは、堅牢なデータセンタに配置されたProxyサーバを標準サービスとして提供しているため、本社に依存しないネットワーク環境が実現。事業継続性確保やネットワークの安定性向上に大きく貢献している。

導入商品、利用するアプリケーション
導入商品 | マネージドイントラネット |
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利用する オプションサービス |
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企業プロフィール
株式会社東京ダイヤモンド工具製作所 | |
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所在地 | 本社/東京都目黒区中根2丁目3番5号 |
設立 | 1932年7月7日 |
資本金 | 1,000万円 |
URL | http://www.tokyodiamond.com/![]() |

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